賃貸不動産経営管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問43 (管理実務 問4)

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問題

賃貸不動産経営管理士試験 令和7年度(2025年) 問43(管理実務 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

火災保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 賃借人が蛇口を閉め忘れたために、階下の入居者の家財に損害を与えて法律上の損害賠償責任を負った場合、その家財は賃借人が契約した火災保険の個人賠償責任特約の補償対象となる。
  • 賃借人が蛇口を閉め忘れたために、床や壁に損害を与えて賃貸人に対する法律上の損害賠償責任を負った場合、賃借人が契約した火災保険の借家人賠償責任特約の補償対象となる。
  • 賃貸マンションやアパートの配管が原因で水濡(ぬ)れが生じ、賃貸人が法律上の損害賠償責任を負った場合、賃貸人が契約した火災保険に賃貸建物所有者賠償特約が付帯されていれば補償対象となる。

  • 火災等の事故によって賃貸している建物の賃料収入が得られなくなった場合、賃貸人が契約した火災保険に家賃収入特約が付帯されていても補償対象とならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、火災保険に付帯される各種「賠償責任特約」の補償対象を理解しているかを問う問題です。特に区別が重要なのは、個人賠償責任特約、借家人賠償責任特約、賃貸建物所有者賠償特約、家賃収入特約です。

「誰に損害を与えたのか」を整理すると解きやすくなります。


 

選択肢1. 賃借人が蛇口を閉め忘れたために、階下の入居者の家財に損害を与えて法律上の損害賠償責任を負った場合、その家財は賃借人が契約した火災保険の個人賠償責任特約の補償対象となる。

個人賠償責任特約は、日常生活における偶然な事故で他人に損害を与えた場合の損害賠償責任を補償します。

本肢では、賃借人の過失(蛇口閉め忘れ)、他人(階下の入居者)の家財損害なので、個人賠償責任特約の対象となります。

選択肢2. 賃借人が蛇口を閉め忘れたために、床や壁に損害を与えて賃貸人に対する法律上の損害賠償責任を負った場合、賃借人が契約した火災保険の借家人賠償責任特約の補償対象となる。

借家人賠償責任特約は、借りている建物に損害を与え、大家に対して負う損害賠償責任を補償します。本肢では、借りている部屋の床・壁、大家への賠償責任なので、借家人賠償責任特約の対象です。


 

選択肢3.

賃貸マンションやアパートの配管が原因で水濡(ぬ)れが生じ、賃貸人が法律上の損害賠償責任を負った場合、賃貸人が契約した火災保険に賃貸建物所有者賠償特約が付帯されていれば補償対象となる。

貸建物所有者賠償特約は、建物の所有・管理上の瑕疵によって第三者へ損害を与えた場合の賠償責任を補償します。配管事故による水漏れは典型例です。

選択肢4. 火災等の事故によって賃貸している建物の賃料収入が得られなくなった場合、賃貸人が契約した火災保険に家賃収入特約が付帯されていても補償対象とならない。

家賃収入特約は、火災などで建物が使用不能となり、家賃収入が減少した場合の損失を補償する特約です。したがって、「補償対象とならない」は誤りです。

まとめ

他人への賠償 → 個人賠償責任特約

大家への賠償 → 借家人賠償責任特約

建物管理責任 → 賃貸建物所有者賠償特約

家賃減少 → 家賃収入特約

となります。

保険分野は、「誰に対する責任か」「何を補償するか」を整理すると覚えやすいです。

参考になった数2

02

本問は、火災保険の主な特約の詳細を問うています。

選択肢1. 賃借人が蛇口を閉め忘れたために、階下の入居者の家財に損害を与えて法律上の損害賠償責任を負った場合、その家財は賃借人が契約した火災保険の個人賠償責任特約の補償対象となる。

【適切】

個人賠償責任特約は、日常生活で第三者に損害を与え損害賠償責任が発生した場合に賠償を補填する付帯特約 です。

例えば、洗濯機の排水ホースが外れ、下の階の住人の家財や天井を濡らして損害を与えてしまった場合の家財の賠償、自転車で走行中に誤って歩行者にぶつかりケガをさせた場合の治療費が補填対象とされます。

本問の、賃借人が過失による階下漏水が発生し、階下の入居者の家財の損害などは補償対象となる可能性が高いです。

選択肢2. 賃借人が蛇口を閉め忘れたために、床や壁に損害を与えて賃貸人に対する法律上の損害賠償責任を負った場合、賃借人が契約した火災保険の借家人賠償責任特約の補償対象となる。

【適切】

借家人賠償責任特約は、賃貸物件に住んでいて、建物所有者へ損害賠償責任・修繕義務が発生したときに使える火災保険の付帯特約です。

過失による火災や水漏れの場合の、室内の修繕費用が補償対象となる可能性が高いです。

選択肢3.

賃貸マンションやアパートの配管が原因で水濡(ぬ)れが生じ、賃貸人が法律上の損害賠償責任を負った場合、賃貸人が契約した火災保険に賃貸建物所有者賠償特約が付帯されていれば補償対象となる。

【適切】

賃貸建物賠償責任特約は、建物の欠陥等ににより入居者や第三者に損害を与えた場合、建物所有者へ損害賠償責任として賠償費用を補償する火災保険の付帯特約です。

例えば、 マンションの給水管が破裂し下階に漏水被害が生じた場合の原状回復費用や、ベランダの看板が落下し、通行人が怪我をした場合の治療費等が挙げられます。

記述の賃貸マンションやアパートの配管が原因で水濡れが生じ、賃貸人が法律上の損害賠償責任を負った場合も保証対象の可能性が高いです。

選択肢4. 火災等の事故によって賃貸している建物の賃料収入が得られなくなった場合、賃貸人が契約した火災保険に家賃収入特約が付帯されていても補償対象とならない。

【不適切】

家賃収入特約は、火災や水災などの事故で賃貸物件が損害を受け、入居者が住めなくなり家賃収入が得られなくなった際、その損害分を補償する火災保険の付帯特約です。

まとめ

誰が加入した、どの特約がトラブルの事案に該当するか、を理解しましょう。

個人賠償責任特約の主な補償対象は、第三者への賠償(人や者への損害)、借家人賠償責任特約は、借りている建物所有者(賃貸物件)です。

賃貸物件の火災保険でセット加入することが多いです。

建物所有者向けの火災保険特約として、賃貸建物賠償責任特約(施設賠償)と家賃収入特約の目的の違いを覚えておきましょう。

参考になった数1

03

本問は、賃貸経営に関わる火災保険の各種特約(オプション)に関する問題です。

誰が、誰に対して損害を与えたときに、どの特約が使えるのかを中心に整理していきましょう。


 

選択肢1. 賃借人が蛇口を閉め忘れたために、階下の入居者の家財に損害を与えて法律上の損害賠償責任を負った場合、その家財は賃借人が契約した火災保険の個人賠償責任特約の補償対象となる。

適切

この選択肢が言っていることは、

入居者がうっかり水道の蛇口を閉め忘れて水を溢れさせ、下の階の住人の家具や家電を水浸しにしてしまい賠償責任を負った場合、入居者が入っている火災保険の「個人賠償責任特約」というオプションで補償してもらえるという場面です。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「階下の入居者の家財に損害を与えて法律上の損害賠償責任を負った場合」「個人賠償責任特約の補償対象となる」としている部分です。

【解説】

「個人賠償責任特約」とは、日常生活の中での偶然の事故により、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりして法律上の損害賠償責任を負った場合に補償される保険です。下の階の人の家財を水濡れさせてしまった場合は、まさに「他人の物を壊した」ことにあたるため、この特約で補償されます。この取扱いで問題ないため、適切な記述です。

【覚えておきたいポイント】

・個人賠償責任特約は、日常生活で他人の身体や財物に損害を与えた場合に使える

・下の階への水漏れによる家財の損害はこれに該当する


 

選択肢2. 賃借人が蛇口を閉め忘れたために、床や壁に損害を与えて賃貸人に対する法律上の損害賠償責任を負った場合、賃借人が契約した火災保険の借家人賠償責任特約の補償対象となる。

適切

この選択肢が言っていることは、

入居者がうっかり水道の蛇口を閉め忘れて、自分が借りている部屋の床や壁を水浸しにしてしまい、大家さんに対して修理代などの賠償責任を負った場合、入居者が入っている火災保険の「借家人賠償責任特約」というオプションで補償してもらえるという場面です。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「床や壁に損害を与えて賃貸人に対する法律上の損害賠償責任を負った場合」「借家人賠償責任特約の補償対象となる」としている部分です。

【解説】

「借家人賠償責任特約」とは、偶然の事故によって自分が借りている部屋に損害を与えてしまい、大家さん(賃貸人)に対して法律上の損害賠償責任を負った場合に補償される保険です。水漏れで借りている部屋の床や壁を傷めてしまった場合は、大家さんに対する賠償責任となるため、この特約で補償されます。この内容で問題ないため、適切な記述です。

【覚えておきたいポイント】

・借家人賠償責任特約は、借りている部屋自体に損害を与えた場合に使える

・大家さんに対する原状回復の賠償責任をカバーする


 

選択肢3.

賃貸マンションやアパートの配管が原因で水濡(ぬ)れが生じ、賃貸人が法律上の損害賠償責任を負った場合、賃貸人が契約した火災保険に賃貸建物所有者賠償特約が付帯されていれば補償対象となる。

適切

この選択肢が言っていることは、

アパートやマンションの建物の配管から水漏れが起きてしまい、それが原因で大家さんが入居者などに賠償責任を負った場合、大家さんが入っている火災保険の「賃貸建物所有者賠償特約」というオプションが付いていれば補償してもらえると言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「配管が原因で水濡れが生じ、賃貸人が法律上の損害賠償責任を負った場合」「賃貸建物所有者賠償特約が付帯されていれば補償対象となる」としている部分です。

【解説】

「賃貸建物所有者賠償特約(施設賠償責任特約など)」とは、建物の構造上の欠陥や管理の不備などが原因で起きた事故により、他人にケガをさせたり他人の物を壊したりして、建物の所有者(大家さん)が法律上の損害賠償責任を負った場合に補償される保険です。建物の配管の不具合による水漏れ事故はこれに該当します。この取扱いで問題ないため、適切な記述です。

【覚えておきたいポイント】

・賃貸建物所有者賠償特約は、建物の欠陥や管理不備による事故で使える

・大家さんが他人に与えた損害賠償責任をカバーする


 

選択肢4. 火災等の事故によって賃貸している建物の賃料収入が得られなくなった場合、賃貸人が契約した火災保険に家賃収入特約が付帯されていても補償対象とならない。

不適切

この選択肢が言っていることは、

火事などの事故が起きて、貸している建物に住めなくなり、大家さんに家賃が入ってこなくなった場合、大家さんの火災保険に「家賃収入特約」というオプションが付いていても、その家賃の損失分は補償してもらえないと言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「家賃収入特約が付帯されていても補償対象とならない」としている部分です。

【解説】

「家賃収入特約(家賃補償特約)」とは、火災や水濡れなどの事故によって賃貸住宅に損害が発生し、修理期間中に入居者が住めなくなって家賃収入が得られなくなった場合、その損失分を補償するための特約です。家賃収入特約が付帯されていれば当然に補償の対象となるため、補償対象とならないとしているこの記述は不適切です。

【覚えておきたいポイント】

・家賃収入特約は、事故により得られなくなった家賃収入を補償するものである

・特約が付帯されていれば、家賃の損失は補償の対象となる


 

まとめ

本問では、火災保険の各種特約の役割が重要なポイントです。

・他人の物を壊した場合は個人賠償責任特約で補償される

・借りている部屋に損害を与えた場合は借家人賠償責任特約で補償される

・建物の不備で他人に損害を与えた場合は賃貸建物所有者賠償特約で補償される

・事故で家賃が入らなくなった場合は家賃収入特約で補償される

このように、どの特約がどのような損害をカバーするのかを正しく理解しておくことが大切です。

 

 

参考・参照文献

国土交通省「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」
日本損害保険協会「重要事項のご説明」


 

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