賃貸不動産経営管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問40 (管理実務 問1)

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問題

賃貸不動産経営管理士試験 令和7年度(2025年) 問40(管理実務 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

賃貸住宅の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 賃貸住宅の引渡しを受けて居住している賃借人は、賃借権の登記をしていなくても、当該賃貸住宅を購入した者に対し、自らの賃借権の存在を主張することができる。
  • 賃貸住宅の所有権者として登記されていた者が、実際はその所有権を有していなかった場合でも、登記を信頼してその者から当該賃貸住宅を購入した者は、その所有権を有効に取得する。
  • 賃貸住宅の所有権者として登記されている者が、実際はその所有権を有していなかった場合でも、その者が所有権者であるものと推定される。
  • 相続財産である賃貸住宅の所有権が未登記であった場合には、相続人が、その所有権の保存登記をすることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、不動産登記の効力や、賃借権の対抗力、登記の推定力について問う問題です。特に、建物賃借権の対抗力、登記に「公信力」があるか、「推定力」と「公信力」の違い

を整理して理解することが重要です。


 

選択肢1. 賃貸住宅の引渡しを受けて居住している賃借人は、賃借権の登記をしていなくても、当該賃貸住宅を購入した者に対し、自らの賃借権の存在を主張することができる。

建物賃貸借では、借地借家法により、建物の引渡しを受けていれば、賃借権登記がなくても第三者に対抗できます。


 

選択肢2. 賃貸住宅の所有権者として登記されていた者が、実際はその所有権を有していなかった場合でも、登記を信頼してその者から当該賃貸住宅を購入した者は、その所有権を有効に取得する。

日本の不動産登記制度には「公信力」がありません。そのため、登記名義人が真の所有者でなかった場合、たとえ善意で登記を信頼して購入しても、原則として所有権を取得できません。

選択肢3. 賃貸住宅の所有権者として登記されている者が、実際はその所有権を有していなかった場合でも、その者が所有権者であるものと推定される。

登記には「推定力」があり、登記名義人は一応その権利者であると推定されます。

ただし、これは「公信力」とは異なり、真実と異なる場合には覆されます。

選択肢4. 相続財産である賃貸住宅の所有権が未登記であった場合には、相続人が、その所有権の保存登記をすることができる。

未登記建物については、相続人が所有権保存登記を行うことが可能です。

まとめ

日本の不動産登記制度には「推定力」はありますが、「公信力」はありません。そのため、真の所有者でない者から不動産を購入しても、原則として所有権は取得できません。

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02

本問は、賃貸住宅の登記に関して、対抗力、公信力、推定力についてを問うています。

選択肢1. 賃貸住宅の引渡しを受けて居住している賃借人は、賃借権の登記をしていなくても、当該賃貸住宅を購入した者に対し、自らの賃借権の存在を主張することができる。

【正】

賃借権の対抗要件の優劣は、先に対抗要件を備えた側が優先します。

賃借権の登記がなくても引き渡しをうけていれば、自らの賃借権を賃貸人に対抗できます。【借地借家法第31条】

記述は、賃借人は建物の引き渡しを受けて居住していますので、自らの賃借権を主張できます。

 

選択肢2. 賃貸住宅の所有権者として登記されていた者が、実際はその所有権を有していなかった場合でも、登記を信頼してその者から当該賃貸住宅を購入した者は、その所有権を有効に取得する。

【誤】

記述の登記の内容が真実でなくても、それを信じて取引した人が保護されるとは限りません。

登記に公信力(登記内容が異なっていても、それを信じて取引した人を保護し、登記どおりの権利取得を認める力)はないためです。

登記名義が偽造されていた場合、その記載を信じて不動産を購入しても、所有権を取得できません。

選択肢3. 賃貸住宅の所有権者として登記されている者が、実際はその所有権を有していなかった場合でも、その者が所有権者であるものと推定される。

【正】

賃貸住宅の所有権者として登記されている者が、実際はその所有権を有していなかった場合でも、その者が所有権者であるものと推定されます。

【最高裁S34.01.08判決】これを登記の推定力といいます。

選択肢4. 相続財産である賃貸住宅の所有権が未登記であった場合には、相続人が、その所有権の保存登記をすることができる。

【正】

相続財産である賃貸住宅の所有権が未登記であった場合には、相続人が、その所有権の保存登記をすることができます。

未登記建物が相続財産に含まれるということは、事実上、建物の所有権が相続人に引き継がれることを意味しますが、登記がないため、相続人は所有権を第三者に権利を主張することができません。

まとめ

登記の効力まとめ

対抗力:第三者に対し、自己の権利を主張できます。

公信力 :登記を信じて取引した者を保護し、たとえ登記が偽りでも権利が認められません。

推定力 :登記の内容が真実の権利関係と一致すると推定されます。


別途、本問の復習として、相続人が未登記の相続財産を保存登記できる点は抑えましょう。

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03

本問は、賃貸住宅に関する不動産登記の効力やルールの問題です。

借地借家法による対抗力の特例や、日本の登記制度における効力(公信力と推定力)を中心に整理していきましょう。


 

選択肢1. 賃貸住宅の引渡しを受けて居住している賃借人は、賃借権の登記をしていなくても、当該賃貸住宅を購入した者に対し、自らの賃借権の存在を主張することができる。

正しい

この選択肢が言っていることは、

賃貸住宅に入居して生活している入居者は、自分が借りているという「賃借権」の登記をしていなくても、新しく大家さんになった(建物を購入した)人に対して、「自分はここに住む権利がある」と主張できると言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「賃借権の登記をしていなくても」「自らの賃借権の存在を主張することができる」としている部分です。

【解説】

建物の賃貸借契約において、借主の権利(賃借権)を第三者に主張(対抗)するためには、原則として登記が必要です。しかし、借地借家法では入居者を保護するための特例が設けられており、建物の「引渡し」を受けていれば(つまり、すでにカギをもらって入居できる状態であれば)、登記がなくても新しい建物の所有者に対して賃借権を主張できると定められています。 この取扱いで問題ないため、この記述は正しいです。

【覚えておきたいポイント】

・建物の賃貸借は、登記がなくても建物の引渡しがあれば第三者に対抗できる

・借地借家法による借主保護の特例である


 

選択肢2. 賃貸住宅の所有権者として登記されていた者が、実際はその所有権を有していなかった場合でも、登記を信頼してその者から当該賃貸住宅を購入した者は、その所有権を有効に取得する。

誤り

この選択肢が言っていることは、

登記簿に建物の所有者として名前が載っていた人が、本当は所有者ではなかった場合でも、その登記を信じて建物を買った人は、有効に所有権を手に入れることができると言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「登記を信頼してその者から当該賃貸住宅を購入した者は、その所有権を有効に取得する」としている部分です。

【解説】

日本の不動産登記制度には、登記の内容が真実であると信じて取引した人を保護する「公信力」という効力は認められていません。そのため、登記簿上の所有者が本当の所有者ではなかった場合(無権利者だった場合)、その登記を信じて購入したとしても、原則として所有権を取得することはできません。登記を信頼すれば所有権を有効に取得するとしているため、この記述は誤りです。

【覚えておきたいポイント】

・日本の不動産登記には「公信力」がない
・本当の所有者ではない人から買っても所有権は取得できない

公信力)参照元:(公社)全日本不動産協会不動産の登記には公示力はあっても、公信力がない


 

選択肢3. 賃貸住宅の所有権者として登記されている者が、実際はその所有権を有していなかった場合でも、その者が所有権者であるものと推定される。

正しい

この選択肢が言っていることは、

登記簿に建物の所有者として名前が載っている人は、たとえ本当は所有者でなかったとしても、一応は「この人が所有者だろう」と推定される(扱われる)と言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「所有権者であるものと推定される」としている部分です。

【解説】

不動産登記には公信力はありませんが、「推定力」という効力は認められています。推定力とは、登記簿に権利が記録されている以上、特別な反証がない限り、その権利が適法に存在し、名義人が正当な権利者であると一応は推定されるという効力です。所有権者であるものと推定されるため、この記述は正しいです。

【覚えておきたいポイント】

・不動産登記には「推定力」がある
・登記名義人は一応は正当な権利者として推定される


 

選択肢4. 相続財産である賃貸住宅の所有権が未登記であった場合には、相続人が、その所有権の保存登記をすることができる。

正しい

この選択肢が言っていることは、

相続した建物について、亡くなった人(被相続人)がまだ一度も所有権の登記(保存登記)をしていなかった場合、建物を引き継いだ相続人が、自分で直接「所有権保存登記」をすることができると言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「未登記であった場合には、相続人が、その所有権の保存登記をすることができる」としている部分です。

【解説】

不動産登記法のルールにより、まだ誰の名義でも登記されていない未登記の不動産について初めて行う「所有権保存登記」は、原則として表題部所有者として記録されている本人が申請します。しかし、その方(表題部所有者)が死亡している場合には、その相続人から直接、自分名義で所有権保存登記を申請することが認められています。相続人が保存登記をすることができるため、この記述は正しいです。

【覚えておきたいポイント】

・未登記建物の所有権保存登記は、相続人から直接申請することができる


 

まとめ

本問では、不動産登記の効力と借地借家法の対抗要件が重要なポイントです。

・建物の引渡しがあれば、登記がなくても賃借権を対抗できる

・日本の不動産登記には「公信力」がないため、無権利者からは権利を取得できない

・登記には「推定力」があり、名義人が権利者と推定される

・未登記建物の所有権保存登記は相続人が申請できる

このように、登記が持つ効力の限界(公信力がないこと)を正しく理解しておくことが大切です。

 

 

参考・参照文献

e-Gov法令検索(デジタル庁)『借地借家法』第31条
e-Gov法令検索(デジタル庁)『不動産登記法』第74条第1項第1号


 

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