賃貸不動産経営管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問34 (金銭管理 問7)

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問題

賃貸不動産経営管理士試験 令和7年度(2025年) 問34(金銭管理 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

土地、建物等に係る損害賠償責任に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じた場合において、その工作物の占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その工作物の所有者が損害賠償の責任を負う。
  • 建物の管理を行う賃貸住宅管理業者は、建物の安全確保について事実上の支配をなしうる場合、占有者として工作物責任を負うことがある。
  • 竹木の栽植又は支持に瑕疵があることによって他人に損害を生じた場合において、その所有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その所有者は損害賠償の責任を負うことはない。
  • エスカレーターの引渡し時点において欠陥がある場合、不動産に付合して独立した製造物でなくなったとしても、当該エスカレーターは製造物責任法の製造物責任の対象となり得る。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、民法上の「工作物責任」と、製造物責任法(PL法)の基本的な考え方について問う問題です。工作物責任における「占有者」と「所有者」の責任関係、竹木に関する責任、製造物責任法の適用範囲を整理しておくことが重要です。

選択肢1. 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じた場合において、その工作物の占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その工作物の所有者が損害賠償の責任を負う。

民法の工作物責任では、まず占有者が責任を負います。しかし、占有者が損害防止に必要な注意をしていた場合には、最終的に所有者が責任を負います。

選択肢2. 建物の管理を行う賃貸住宅管理業者は、建物の安全確保について事実上の支配をなしうる場合、占有者として工作物責任を負うことがある。

工作物責任における「占有者」は、現実に管理・支配している者を含みます。そのため、実質的に建物管理を行っている賃貸住宅管理業者が占有者として責任を負う場合があります。

選択肢3. 竹木の栽植又は支持に瑕疵があることによって他人に損害を生じた場合において、その所有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その所有者は損害賠償の責任を負うことはない。

竹木については、工作物責任と異なり、所有者が直接責任を負います。そして、所有者が必要な注意をしていたとしても免責されません。

選択肢4. エスカレーターの引渡し時点において欠陥がある場合、不動産に付合して独立した製造物でなくなったとしても、当該エスカレーターは製造物責任法の製造物責任の対象となり得る。

判例上、エスカレーターのように不動産に組み込まれた設備であっても、引渡し時点で欠陥があれば、製造物責任法の対象となる場合があります。

まとめ

工作物責任では、占有者が注意義務を尽くしていた場合には所有者が責任を負います。一方、竹木については所有者責任が重く、必要な注意をしていても免責されません。

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02

土地、建物等に係る損害賠償責任に関する問題です。

選択肢1. 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じた場合において、その工作物の占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その工作物の所有者が損害賠償の責任を負う。

【正】

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって、他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負います。

ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならないとされています。【民法717条】

選択肢2. 建物の管理を行う賃貸住宅管理業者は、建物の安全確保について事実上の支配をなしうる場合、占有者として工作物責任を負うことがある。

【正】

賃貸建物の賃貸住宅管理業者が物件の契約業務のみならず維持管理まで受託している場合、占有者に該当し、工作物責任を負うことがあります。

選択肢3. 竹木の栽植又は支持に瑕疵があることによって他人に損害を生じた場合において、その所有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その所有者は損害賠償の責任を負うことはない。

【誤】

土地の工作物等の占有者及び所有者の責任は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合にも該当します。【民法717条第2項】

工作物責任の一時的責任は占有者にありますが、占有者が損害発生の防止をしていた際には、所有者が損害を賠償しなければいけません。必要な注意をした時でも責任を免れません。【民法717条1項】

選択肢4. エスカレーターの引渡し時点において欠陥がある場合、不動産に付合して独立した製造物でなくなったとしても、当該エスカレーターは製造物責任法の製造物責任の対象となり得る。

【正】

エスカレーターの引渡し時点において欠陥がある場合、不動産に付合して独立した製造物でなくなったとしても、当該エスカレーターは製造物責任法の製造物責任の対象となります。製造物とは、製造、または加工された動産をいいます。

製造業者が引き渡し後に製造物が不動産に付合し独立した動産でなくなったとしても同製造物は製造物責任の対象となります。

まとめ

賃貸管理業務の上で工作物責任を誰が負うのか、等は起こり得る事案です。

今一度、民法を復習、暗記し、占有者か所有者の責任の所在を抑えておきましょう。

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03

本問は、土地や建物などの工作物責任や製造物に関する損害賠償責任についての問題です。

誰がどのような条件で責任を負うのか(占有者と所有者の違い)を中心に整理していきましょう。


 

選択肢1. 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じた場合において、その工作物の占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その工作物の所有者が損害賠償の責任を負う。

正しい

この選択肢が言っていることは、

建物の設備などに欠陥があって人にケガをさせた場合、まず建物を実際に管理している人(占有者)が責任を問われますが、その人がきちんと注意して管理していた場合は、建物の持ち主(所有者)が責任を負うという場面です。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その工作物の所有者が損害賠償の責任を負う」としている部分です。

【解説】

民法では、土地の工作物(建物など)の欠陥によって損害が生じた場合、まずはその工作物を直接支配し管理している「占有者」が責任を負うと定められています。しかし、占有者が損害を防ぐために必要な注意を払っていたことが証明された場合は、最終的に建物の「所有者」が責任を負うことになります。 占有者が注意を尽くしていた場合は所有者が責任を負うため、この記述は正しいです。

【覚えておきたいポイント】

・工作物の欠陥による損害は、まず占有者が責任を負う

・占有者が注意を尽くしていた場合は、所有者が無過失責任を負う


 

選択肢2. 建物の管理を行う賃貸住宅管理業者は、建物の安全確保について事実上の支配をなしうる場合、占有者として工作物責任を負うことがある。

正しい

この選択肢が言っていることは、

アパートやマンションの管理を任されている管理会社であっても、建物の安全を実際にコントロールできる立場にある場合は、「占有者」として、建物の欠陥による事故の責任を負うことがあると言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「建物の安全確保について事実上の支配をなしうる場合、占有者として工作物責任を負うことがある」としている部分です。

【解説】

工作物責任において「占有者」とは、所有者に限らず、その工作物を事実上支配し、管理している者を指します.

そのため、オーナーから建物の管理を全面的に任されている賃貸住宅管理業者は、建物の安全確保について事実上の支配をしているとみなされ、占有者として損害賠償責任を負うことがあります。管理業者も占有者として工作物責任を負うことがあるため、この記述は正しいです。

【覚えておきたいポイント】

・工作物責任の「占有者」には、事実上建物を管理している管理会社も含まれることがある


 

選択肢3. 竹木の栽植又は支持に瑕疵があることによって他人に損害を生じた場合において、その所有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その所有者は損害賠償の責任を負うことはない。

誤り

この選択肢が言っていることは、

植えてある木やそれを支える柱に欠陥があって人がケガをした場合、その木の持ち主(所有者)が「自分はきちんと注意して管理していた」と証明できれば、損害賠償の責任を免れることができると言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「所有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その所有者は損害賠償の責任を負うことはない」としている部分です。

【解説】

民法では、竹木の植え方や支え方に欠陥があって損害が生じた場合、建物の欠陥(工作物責任)と同じルールが適用されます。つまり、まずは実際に管理している「占有者」が責任を負い占有者が注意を尽くしていた場合は「所有者」が責任を負います。このとき、所有者の責任は「無過失責任」といい、たとえ自分が必要な注意を払っていたと証明しても責任から逃れることはできません。所有者は注意を尽くしていても責任を免れないため、この記述は誤りです。

【覚えておきたいポイント】

・竹木の欠陥による損害も工作物責任と同じルールが適用される
・所有者の責任は無過失責任であり、注意を尽くしていても免れない


 

選択肢4. エスカレーターの引渡し時点において欠陥がある場合、不動産に付合して独立した製造物でなくなったとしても、当該エスカレーターは製造物責任法の製造物責任の対象となり得る。

正しい

この選択肢が言っていることは、

建物に取り付けられたエスカレーターに、引き渡された最初から欠陥があった場合、それが建物の一部(不動産)に組み込まれてしまっていたとしても、作ったメーカーなどの責任を問う「製造物責任」の対象になることがあると言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「不動産に付合して独立した製造物でなくなったとしても、当該エスカレーターは製造物責任法の製造物責任の対象となり得る」としている部分です。

【解説】

製造物責任法の対象となる「製造物」とは、製造または加工された「動産」のことを指します。エスカレーターやエレベーターのような設備は、建物という不動産に取り付けられて建物の一部になったとしても、引き渡し時点(製造・加工された時点)では動産であるため、製造物に該当します。したがって、当該エスカレーターは製造物責任の対象になり得ます。製造物責任の対象となり得るため、この記述は正しいです。

【覚えておきたいポイント】

・製造物責任法の対象は製造または加工された「動産」である
・不動産に取り付けられた設備でも、引き渡し時点で動産であれば対象になり得る


 

まとめ

 本問では、民法における工作物責任や製造物責任のルールが重要なポイントです。

・工作物の欠陥による損害は、まず占有者が責任を負う
・占有者に過失がない場合は、所有者が無過失責任を負う
・管理会社も占有者として責任を負うことがある
・所有者は注意を尽くしていても責任を免れない
・引き渡し時に動産であれば製造物責任の対象になり得る

このように、誰がどのような責任を負うのかを正しく理解しておくことが大切です。

 

 

参考・参照文献

e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第717条
e-Gov法令検索(デジタル庁)『製造物責任法』第2条
消費者庁『製造物責任法の逐条解説』第2条「製造物」の定義

国土交通省『賃貸住宅管理業法ポータルサイト』「賃貸住宅管理業者の業務」

国土交通省『賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方』

 

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