賃貸不動産経営管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問33 (金銭管理 問6)
問題文
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問題
賃貸不動産経営管理士試験 令和7年度(2025年) 問33(金銭管理 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
- 原状回復ガイドラインによれば、継続して使用可能な賃貸住宅の設備であっても、経過年数を超えたものについては、賃借人が故意に破損し、使用不能とした場合でも、賃借人は原状回復費用を負担する必要はないとされている。
- 原状回復費用の賃借人の負担について、原状回復ガイドラインの内容と異なる特約を定めても無効である。
- 原告が原状回復に係る少額訴訟の訴えを提起した場合、被告は訴訟を通常の手続に移行させることはできない。
- 原状回復に係る少額訴訟においては、反訴を提起することはできない。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、原状回復ガイドラインの考え方と、原状回復トラブルで利用される「少額訴訟」の基本ルールについて問う問題です。特に、ガイドラインは法令そのものではないこと、少額訴訟の特徴を整理しておくことが重要です。
設備が耐用年数を経過していても、賃借人が故意・過失によって破損させた場合には、賃借人に原状回復義務が生じます。ただし、経過年数等を考慮して負担額が調整されることがあります。
原状回復ガイドラインは法令ではなく、一般的な基準を示したものです。そのため、一定の要件を満たす特約であれば、ガイドラインと異なる内容を定めることも可能です。
少額訴訟では、被告は通常訴訟への移行を求めることができます。移行の申述があれば、通常訴訟へ移行します。
少額訴訟では、迅速な解決を目的としているため、反訴は認められていません。
原状回復ガイドラインは法的拘束力を持つものではなく、特約による修正も一定範囲で認められます。また、少額訴訟では通常訴訟への移行は可能ですが、反訴は認められていません。
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02
本問は、原状回復に関してと、原状回復でのトラブルで少額起訴を提起した場合を問うています。
【不適切】
経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合があります。
賃借人が故意により設備等を破損し、使用不能としてしまった場合には、賃貸住宅の設備等として本来機能していた状態まで戻す必要があり、賃借人が原状回復費を負担する場合もあります。
【不適切】
原状回復ガイドラインの内容と、異なる特約を定めることも可能です。
実務では、エアコンの内部洗浄等や、ハウスクリーニングを賃借人負担として特約に記載し定める事があります。
【不適切】
少額起訴を提起した場合、被告が反対すれば通常の起訴手続きへ移行されます。
第1回の口頭弁論期日が始まる前までに、通常起訴を申し出る必要があります。
少額起訴は1回の審理で決着する簡易な手続きであるため、通常の手続きで争う権利が認められています。
【適切】
少額起訴の場合、1日で判決が言い渡され不服の申立(異議)をすることは可能ですが、反訴(被告が原告に新たな訴えを提訴)することはできません。
不服申し立て後、通常起訴へと移行します。
少額起訴とは、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に、簡易裁判所で原則として、1回の期日で審理を終え即日判決を言い渡す民事起訴です。
・被告が手続きに反対するときは通常の起訴手続きへ移行されます。
・反訴(上級の地方裁判所への控訴)はできません。判決後、不服があれば通常起訴へ移行されます。
原状回復のトラブルで少額起訴を提訴するケースもあるので、上記を抑えておきましょう。
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03
本問は、賃貸住宅における原状回復に関するガイドラインと少額訴訟の手続きに関する問題です。
設備の経過年数と費用の関係、特約の有効性、そしてトラブルを解決するための少額訴訟のルールを中心に整理していきましょう。
不適切
この選択肢が言っていることは、
耐用年数(経過年数)を過ぎた設備はすでに価値がないとみなされるため、入居者がわざと壊して使えなくしてしまったとしても、退去時に原状回復費用を支払う必要はないという場面です。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「経過年数を超えたものについては、賃借人が故意に破損し、使用不能とした場合でも、賃借人は原状回復費用を負担する必要はない」としている部分です。
【解説】
原状回復ガイドラインでは、経過年数を超えた設備であっても、継続して使用可能な状態であれば、入居者は注意を払って適切に使用する義務があるとしています。そのため、故意や過失で設備を壊して使えなくしてしまった場合には、本来機能していた状態に戻すための費用(工事費や人件費など)を賃借人が負担することがあります。故意に破損した場合でも負担する必要はないとしているため、この記述は不適切です。
【覚えておきたいポイント】
・経過年数を過ぎた設備でも入居者には適切に使用する義務がある
・故意や過失で壊した場合は原状回復費用を負担することがある
不適切
この選択肢が言っていることは、
退去時の原状回復費用について、国が示している原状回復ガイドラインの考え方とは違う内容の特別な約束(特約)を結んだ場合、その特約はルール違反になり無効になると言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「原状回復ガイドラインの内容と異なる特約を定めても無効である」としている部分です。
【解説】
賃貸借契約には契約自由の原則があるため、法律の絶対的なルール(強行法規)に反しない範囲であれば、ガイドラインと異なる特約を定めることも認められています。具体的には、「客観的で合理的な理由があること」「賃借人が通常の原状回復義務を超えた負担を認識していること」「賃借人が特約による負担に合意していること」という要件を満たせば、特約は有効となります。異なる特約を定めても無効であるとしているため、この記述は不適切です。
【覚えておきたいポイント】
・ガイドラインと異なる特約を定めること自体は禁止されていない
・特約が有効になるためには、合理的な理由や借主の明確な認識と合意が必要である
不適切
この選択肢が言っていることは、
大家さん(原告)が原状回復にかかった費用を請求するために少額訴訟という簡単な裁判を起こした場合、訴えられた入居者(被告)の側から「普通の裁判(通常の手続)に変更してほしい」と求めることはできないと言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「被告は訴訟を通常の手続に移行させることはできない」としている部分です。
【解説】
少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に、原則1回の期日で迅速にトラブルを解決するための手続きです。しかし、訴えられた側(被告)が少額訴訟による審理を希望しない場合には、最初の期日で弁論をするまでに申し出をすることで、簡易裁判所の通常の訴訟手続きに移行させることが認められています。移行させることはできないとしているため、この記述は不適切です。
【覚えておきたいポイント】
・少額訴訟を起こされても、被告は通常の訴訟手続きへの移行を求めることができる
・移行を求める場合は、最初の期日で弁論をするまでに申し出る必要がある
適切
この選択肢が言っていることは、
少額訴訟を起こされた側(被告)が、「逆にこっちからも相手を訴え返す(反訴する)」という手続きを、同じ少額訴訟の中で行うことはできないと言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「少額訴訟においては、反訴を提起することはできない」としている部分です。
【解説】
少額訴訟は、原則として1回の期日で迅速にトラブルを解決することを目的とした特別な制度です。そのため、お互いに訴え合うような形になって審理が複雑になったり長引いたりすることを防ぐため、民事訴訟法において、少額訴訟の手続きの中で被告が反訴(訴え返すこと)を提起することは禁止されています。反訴を提起することはできないため、この記述は適切です。
【覚えておきたいポイント】
・少額訴訟は迅速に解決するための制度であるため反訴が禁止されている
・反訴を提起することはできない
本問では、原状回復の特約や少額訴訟のルールが重要なポイントです。
・経過年数を超えた設備でも、故意・過失で壊した場合は負担が生じることがある
・要件を満たせば、ガイドラインと異なる特約も有効になる
・少額訴訟は被告の希望により通常の訴訟手続きへ移行できる
・少額訴訟では反訴を提起することはできない
このように、原状回復に関するルールの例外や、トラブルになった際の裁判手続きの仕組みを正しく理解しておくことが大切です。
参考・参照文献
・国土交通省『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』
・裁判所『裁判手続簡易裁判所の民事事件Q&A』
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『民事訴訟法』第369条
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