賃貸不動産経営管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問30 (金銭管理 問3)

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問題

賃貸不動産経営管理士試験 令和7年度(2025年) 問30(金銭管理 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

個人であるAが賃貸不動産を賃借するに当たって、Aが勤務する会社BがAの委託を受けて連帯保証人となった場合の連帯保証契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 賃貸借契約の保証は根保証に当たるため、賃貸人とBとの間の連帯保証契約は、賃貸借契約におけるAが負うべき滞納賃料等の債務につき、極度額を定めなければ無効とされる。
  • 賃貸人は、Bから請求があったときは、Aの賃貸借契約上の債務の履行状況につき、情報提供しなければならない。
  • 賃貸借契約が事業のためになされる場合、Aは、自己の財産及び収支の状況などにつき、保証の委託に際しBに情報提供しなければならない。
  • Aが所在不明で連絡がとれない場合、Bは、別に解除権の授権がなくとも、連帯保証人として、賃貸借契約の解除をすることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

本問は、民法における「個人保証・連帯保証」に関する問題です。近年の民法改正では、個人保証人保護の観点から、根保証契約の極度額、保証人への情報提供義務、事業用融資等における説明義務などが重要な制度として整備されました。賃貸借契約の保証も頻出分野であり、「誰が保証人か」「事業用か居住用か」「保証人が法人か個人か」によって適用ルールが変わる点に注意が必要です。

選択肢1. 賃貸借契約の保証は根保証に当たるため、賃貸人とBとの間の連帯保証契約は、賃貸借契約におけるAが負うべき滞納賃料等の債務につき、極度額を定めなければ無効とされる。

極度額の定めが必要となるのは、「個人」が保証人となる個人根保証契約です。本肢では保証人は「会社B」であり法人であるため、極度額の定めがなくても無効にはなりません。

選択肢2. 賃貸人は、Bから請求があったときは、Aの賃貸借契約上の債務の履行状況につき、情報提供しなければならない。

主たる債務者の委託を受けた保証人から請求があった場合、債権者は、主債務の元本・利息・違約金などの履行状況について情報提供義務を負います。法人保証人であっても適用されます。

選択肢3. 賃貸借契約が事業のためになされる場合、Aは、自己の財産及び収支の状況などにつき、保証の委託に際しBに情報提供しなければならない。

事業用債務についての情報提供義務は、「個人保証人」を保護するための制度です。本肢では保証人は法人Bであるため、この規定は適用されません。

選択肢4. Aが所在不明で連絡がとれない場合、Bは、別に解除権の授権がなくとも、連帯保証人として、賃貸借契約の解除をすることができる。

連帯保証人は、当然に賃貸借契約の解除権を有するわけではありません。解除をするには、賃借人本人から特別の授権を受けるなど、解除権限が必要です。

まとめ

本問は、民法改正後の保証制度について、「個人保証」と「法人保証」の違いを理解できているかがポイントでした。個人保証人を保護する制度として、極度額の設定義務や事業用債務に関する情報提供義務がありますが、これらは主に「個人保証人」が対象です。そのため、法人である会社Bが保証人となっている本問では、極度額がなくても保証契約は有効であり、事業用債務に関する情報提供義務も問題となりません。

一方、保証人から請求があった場合の債務履行状況の情報提供義務は認められており、賃貸人は滞納状況などを説明する必要があります。

また、連帯保証人は当然に賃貸借契約の解除権を持つわけではなく、賃借人本人からの授権が必要となります。

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02

本問は、連帯保証契約(根保証契約)に関しての問題です。

選択肢1. 賃貸借契約の保証は根保証に当たるため、賃貸人とBとの間の連帯保証契約は、賃貸借契約におけるAが負うべき滞納賃料等の債務につき、極度額を定めなければ無効とされる。

【誤】

賃貸借契約の保証は、不特定の債務を主たる債務とする保証契約(個人根保証契約)に該当します。

根保証契約は、個人の場合は極度額を定めなければ効力を発しませんが、法人の場合は定めなくても保証契約は有効です。【民法465条第2項】

したがって誤りです。

選択肢2. 賃貸人は、Bから請求があったときは、Aの賃貸借契約上の債務の履行状況につき、情報提供しなければならない。

【正】

保証人が債務者の連帯保証人になった場合において、連帯保証人の請求があったときは、債務の元本及び利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての情報を提供しなければならないとされています。【民法458条2】

したがって正しいです。

選択肢3. 賃貸借契約が事業のためになされる場合、Aは、自己の財産及び収支の状況などにつき、保証の委託に際しBに情報提供しなければならない。

【誤】

債務者は、事業のために負担する債務、保証又は根保証の委託をするときは、委託を受ける者に対し、以下の事項を提供しなければならないとされています。

 

1.財産及び収支の状況

2.主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況

3.主たる債務の担保として他に提供し、又は提供しようとするものがあるときは、その旨及びその内容

 

上記の規定は、保証をするものが法人である場合は適用されません。【民法465条の10、10(3)】

したがって誤りです。

選択肢4. Aが所在不明で連絡がとれない場合、Bは、別に解除権の授権がなくとも、連帯保証人として、賃貸借契約の解除をすることができる。

【誤】

解除権の行使は、当事者の一方が相手方に対して、意思表示をすることとなっています。【民法540条】

連帯保証人のBは当事者ではないため、賃貸借契約を解除することはできません。


 

まとめ

根保証契約については難しく感じると思いますが、法人、個人の場合で違いがあることは覚えましょう。

 

個人

・極度額の設定が必要。(設定のない場合は無効)

・根保証契約の際は、債務者の情報提供が必要。

 

法人

・法人の場合は極度額設定や債務者の情報提供なしで根保証契約が可能。

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03

本問は、民法における連帯保証契約のルールに関する問題です。

保証人が個人であるか、法人(会社)であるかによって適用されるルールの違いを中心に整理していきましょう。


 

選択肢1. 賃貸借契約の保証は根保証に当たるため、賃貸人とBとの間の連帯保証契約は、賃貸借契約におけるAが負うべき滞納賃料等の債務につき、極度額を定めなければ無効とされる。

誤り

この選択肢が言っていることは、

賃貸借契約の保証は、将来の家賃滞納などいくらになるかわからない債務を保証する「根保証(ねほしょう)」にあたるため、大家さんと会社Bの間の契約では、「最大いくらまで保証するか(極度額)」をあらかじめ決めておかないと契約自体が無効になると言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、保証人となるのが「会社B(法人)」であるという点です。

【解説】

民法では、一定の範囲の不特定の債務を保証する契約(根保証契約)のうち、保証人が「個人(法人ではない者)」である場合(個人根保証契約)は、極度額を定めなければ無効になると定められています。しかし、本問の連帯保証人である会社Bは「法人」であるため、極度額を定めなくても契約は無効になりません。極度額を定めなければ無効とされるとしているため、この記述は誤りです。

【覚えておきたいポイント】

・極度額の定めがないと無効になるのは、保証人が「個人」の場合である
・法人が保証人となる場合は極度額の定めがなくても無効にならない


 

選択肢2. 賃貸人は、Bから請求があったときは、Aの賃貸借契約上の債務の履行状況につき、情報提供しなければならない。

正しい

この選択肢が言っていることは、

大家さんは、連帯保証人である会社Bから「入居者Aさんはちゃんと家賃を払っていますか?」と聞かれたら、Aさんの家賃の支払い状況などについて情報を教えなければならないと言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「Bから請求があったときは」「情報提供しなければならない」としている部分です。

【解説】

民法では、借主の委託を受けて保証人になった者が、債権者(大家さん)に対して借主の履行状況(家賃の滞納の有無や未払い額など)を教えてほしいと請求したときは、債権者はその情報を提供しなければならないと定められています。この情報提供義務は、保証人が個人であっても法人であっても適用されます。情報提供しなければならないため、この記述は正しいです。

【覚えておきたいポイント】

・委託を受けた保証人から請求があれば、大家さんは借主の家賃の支払い状況などの情報を提供する義務がある


 

選択肢3. 賃貸借契約が事業のためになされる場合、Aは、自己の財産及び収支の状況などにつき、保証の委託に際しBに情報提供しなければならない。

誤り
この選択肢が言っていることは、

入居者Aさんが事業をする目的で部屋を借りる場合、Aさんは連帯保証人になってくれる会社Bに対して、自分の財産や収入・支出の状況などをあらかじめ説明しなければならないと言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、保証の委託を受けるBが「会社(法人)」であるという点です。

【解説】

民法では、借主が事業のために負担する債務の保証を頼む場合、委託を受ける保証人に対して、自分の財産や収支の状況などの情報を提供する義務があると定められています。しかし、このルールは、保証人になる者が「個人」である場合に限定されており、保証人になる者が「法人」である場合には適用されません。保証人が法人であるBに情報提供しなければならないとしているため、この記述は誤りです。

【覚えておきたいポイント】

・事業用賃貸借の保証を頼む際、借主は原則として自分の財産状況などを説明する義務がある

・ただし、保証人が「法人」の場合は、この情報提供義務は適用されない


 

選択肢4. Aが所在不明で連絡がとれない場合、Bは、別に解除権の授権がなくとも、連帯保証人として、賃貸借契約の解除をすることができる。

誤り

この選択肢が言っていることは、

入居者Aさんが行方不明になって連絡がとれない場合、連帯保証人である会社Bは、Aさんから「代わりに解約していいよ」という特別な権限(解除権の授権)をもらっていなくても、勝手に賃貸借契約を解約することができると言っています。

【ここがポイント】

見るべきポイントは、「別に解除権の授権がなくとも、連帯保証人として、賃貸借契約の解除をすることができる」としている部分です。

【解説】

連帯保証人は、あくまで借主が支払えない場合に代わりに支払う義務を負う立場であり、賃貸借契約の当事者そのものではありません。そのため、借主本人から契約を解除する権限(代理権など)を与えられていない限り、連帯保証人の立場で勝手に賃貸借契約を解除することはできません。別に解除権の授権がなくとも解除をすることができるとしているため、この記述は誤りです。

【覚えておきたいポイント】

・連帯保証人は、原則として賃貸借契約を解除する権限を持たない

・解除するには借主本人から特別な権限を与えられている必要がある


 

まとめ

本問では、民法における保証契約のルールが重要なポイントです。

・個人が保証人になる根保証契約では極度額の定めが必要だが、法人には不要である

・委託を受けた保証人からの請求に対し、大家さんは支払い状況を答える義務がある

・事業用借主の財産状況の提供義務は、保証人が法人の場合は適用されない

・連帯保証人には当然には契約を解除する権限はない

このように、保証人が「個人」か「法人」かによって適用されるルールが異なる部分があることを正しく理解しておくことが大切です。

 

 

参考・参照文献

e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第458条の2

e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第465条の2

e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第465条の10


 

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