賃貸不動産経営管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問28 (金銭管理 問1)
問題文
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
賃貸不動産経営管理士試験 令和7年度(2025年) 問28(金銭管理 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
- 賃借人の債務に連帯保証人がある場合、賃貸人は、まずは賃借人に対し滞納賃料の支払を請求し、賃借人がその履行をしないときに限り、連帯保証人に対する請求をすることができる。
- 賃借人が賃貸人に対し、敷金を滞納賃料の一部に充てることを請求した場合であっても、賃貸人は、改めて滞納賃料の全額及びこれに対する遅延利息を賃借人に請求することができる。
- 賃貸住宅管理業者が、賃借人から前月分の滞納賃料の弁済であると指定されて賃料の1か月分を収受したが、賃貸人が直ちに異議を述べた場合には、いずれの滞納分に充当するかを賃貸人と協議の上で決めることができる。
- 賃貸人から特別の委任があれば、賃貸住宅管理業者が、賃借人に対し滞納賃料の支払を求める訴訟を提起してその回収を図ることができる。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
本問は、普通建物賃貸借契約における賃料滞納時の対応について、 民法 の、連帯保証、敷金、弁済の充当、訴訟行為に関する知識を問う問題です。特に、敷金はいつ・誰が充当できるのか、弁済充当の指定権者は誰か、管理業者がどこまで法的対応できるか、は実務でも重要な論点となります。
連帯保証人には催告の抗弁権・検索の抗弁権がないため、賃貸人は賃借人へ先に請求しなくても、直ちに連帯保証人へ請求することができます。
敷金は、通常、賃貸借契約終了後に未払賃料等へ充当されるものであり、賃借人が一方的に「敷金を滞納賃料へ充当してほしい」と主張しても、その効力は生じません。そのため、賃貸人は、なお滞納賃料全額および遅延損害金を請求することができます。
弁済者である賃借人は、弁済時にどの債務へ充当するかを指定することができます。本肢では賃借人が「前月分」と指定しているため、その指定どおりに充当され、後から賃貸人側との協議で変更することはできません。
訴訟代理などの法律事務を業として行うことは、原則として弁護士でなければできません。賃貸住宅管理業者が、特別委任を受けたとしても、自己の業務として訴訟代理を行うことは弁護士法に抵触するため認められません。
本問は、賃料滞納時における賃貸人・管理業者の対応について、民法上の基本ルールを整理できているかがポイントでした。連帯保証人については、賃借人への請求を先行する必要はなく、賃貸人は直接請求することができます。また、弁済充当に関しては、弁済者である賃借人の指定が優先されるため、後から賃貸人側が変更することはできません。さらに、敷金については、賃借人が一方的に滞納賃料へ充当を求めることはできず、その請求があっても賃貸人は未払賃料全額を請求することができます。一方、賃貸住宅管理業者は、特別委任があっても当然に訴訟代理権を取得するわけではなく、弁護士でない限り訴訟行為を業として行うことはできません。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
02
本問は、賃借人が賃料3か月分を滞納している場合についてを問うています。
連帯保証の性質等を理解した上で問題を読むとわかりやすいです。
【誤】
保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、催告の抗弁、検索の抗弁の権利を有しません。【民法454条】
連帯保証人は、まず賃借人に債務を請求してほしいと主張することができないということです。
賃貸人は、賃借人が滞納した場合、履行を待たずとも、直接連帯保証人へ家賃を督促することができます。
【正】
賃借人は、賃貸人に支払った敷金を債務の弁済に充てる請求をすることができないとされています。
賃借人が賃貸人へ契約時に敷金を支払っていた場合、3ヶ月分の滞納家賃を敷金より清算してほしいと賃借人が請求しても、賃貸人は無視して賃料の全額及びこれに対する遅延利息を賃借人に請求することができます。
尚、賃貸人は、賃借人が家賃を支払わない場合は、敷金をその債務の弁済に充てることができます。【民法622条第2項2】
【誤】
弁済をする者(賃借人)と弁済を受領する者(賃貸人)との間に充当の順序に関する合意があるときは、その順序に従い、その弁済を充当するとあります。【民法490条】
合意がない場合、弁済をする者は、その弁済を充当すべき債務を指定することができます。【民法488条】
本問の場合は、異議を述べており合意に至っておらず、したがって弁済をする者(賃借人)の主張が優先され前月分の滞納賃料として充当されます。
【誤】
賃貸人から委任があっても、法律行為である起訴等は弁護士等でなければ取り扱うことができません。賃貸住宅管理業者が可能な範囲は一般的な賃料督促までとなります。
賃貸経営をするにあたり、家賃滞納は身近な事案になり民法の理解を求められるため、しっかり抑えましょう。
連帯保証の催告の抗弁と弁済の充当の順番は覚えておきましょう。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
03
本問は、普通建物賃貸借契約における賃料滞納時の対応に関する問題です。
連帯保証人のルールや敷金の充当、弁済の充当、そして未収金回収における管理業者の制限を中心に整理していきましょう。
誤り
この選択肢が言っていることは、
家賃を滞納した入居者に連帯保証人がついている場合、大家さんは、まずは入居者本人に「家賃を払って」と請求し、それでも払ってくれない場合に初めて連帯保証人に請求できるという場面です。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「まずは賃借人に対し滞納賃料の支払を請求し、賃借人がその履行をしないときに限り、連帯保証人に対する請求をすることができる」としている部分です。
【解説】
民法では、単なる保証人と異なり、「連帯保証人」には、まずは本人に請求してほしいと主張できる権利(催告の抗弁権)がありません。 そのため、大家さんは入居者本人に請求せず、いきなり連帯保証人に対して滞納賃料の全額を請求することが認められています。 賃借人が履行しないときに限り請求できるとしているため、この記述は誤りです。
【覚えておきたいポイント】
・連帯保証人には催告の抗弁権や検索の抗弁権がない
・大家さんは本人への請求を飛ばして、いきなり連帯保証人に請求できる
正しい
この選択肢が言っていることは、
家賃を滞納している入居者から、「預けてある敷金の中から滞納している家賃を引いておいて」とお願いされた場合でも、大家さんはそれを断って、滞納家賃の全額と遅延利息を入居者に請求できると言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「賃借人が(中略)敷金を滞納賃料の一部に充てることを請求した場合であっても、賃貸人は、改めて滞納賃料の全額及びこれに対する遅延利息を賃借人に請求することができる」としている部分です。
【解説】
民法において、家賃の滞納がある場合に、預かっている敷金をその支払いに充てるかどうかを決める権利は大家さん(賃貸人)にあります。入居者(賃借人)の方から「敷金から引いてほしい」と請求することは法律上できません。そのため、大家さんは入居者の申し出に応じず、滞納賃料の全額をそのまま請求することができます。この取扱いで問題ないため、この記述は正しいです。
【覚えておきたいポイント】
・入居者から敷金を滞納家賃に充てるよう請求することはできない
・敷金を充当するかどうかは大家さんが決めることができる
誤り
この選択肢が言っていることは、
入居者が家賃の1か月分だけを持ってきたときに、「これは先月分の家賃です」と指定して払ったのに対し、大家さんが「いや、それよりもっと前の分に充てる」とすぐ反対した場合は、話し合いでどれに充てるかを決めることができると言っています。
【ここがポイント】
数か月分の滞納家賃があるなどの記載はないので、普通に考えると理解しにくい設問ですが、見るべきポイントは、「賃借人から(中略)指定されて(中略)収受したが、賃貸人が直ちに異議を述べた場合には、いずれの滞納分に充当するかを賃貸人と協議の上で決めることができる」としている部分です。
【解説】
民法の「弁済の充当」のルールでは、支払う額が全ての借金を消すのに足りない場合、まず「支払う側(賃借人)」がどの借金に充てるかを指定できると定められています。支払う側が指定した場合、受け取る側(賃貸人)がそれに異議を述べて無効にしたり、協議で決め直したりすることはできません。(※受け取る側が指定したのに対し、支払う側が異議を述べるルールは存在します。)大家さんの異議により協議の上で決められるとしているため、この記述は誤りです。
【覚えておきたいポイント】
・支払う額が足りない場合、まず支払う側(賃借人)が充当先を指定できる
・賃借人が指定した場合、賃貸人が異議を述べて覆すことはできない
誤り
この選択肢が言っていることは、
大家さんから「裁判を起こして家賃を取り立ててきて」と特別な依頼を受ければ、管理会社が大家さんの代わりに裁判を起こして滞納家賃を回収することができると言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「特別の委任があれば、賃貸住宅管理業者が、賃借人に対し滞納賃料の支払を求める訴訟を提起してその回収を図ることができる」としている部分です。
【解説】
法律事件に関する法律事務(訴訟の提起などによる未収金の回収)を、報酬を得る目的で弁護士ではない者が行うことは、弁護士法(非弁行為の禁止)により固く禁じられています。国土交通省の「賃貸住宅標準管理受託契約書」の規定等でも、督促に応じない滞納者に対する未収金の回収は、大家さん自身(または弁護士)が行うべきものとされています。特別の委任があっても管理会社が訴訟を提起して回収を図ることはできないため、この記述は誤りです。
【覚えておきたいポイント】
・弁護士でない管理会社が訴訟を起こして家賃を回収することはできない
・特別な委任があっても非弁行為(弁護士法違反)となる
本問では、滞納賃料の対応に関する法律のルールが重要なポイントです。
・連帯保証人にはいきなり全額を請求できる
・賃借人から敷金を滞納家賃に充てるよう求めることはできない
・弁済の充当先は、まず支払う側(賃借人)が指定できる
・管理会社による訴訟提起などの取り立て行為は弁護士法違反になる
このように、大家さんと管理会社がどのような対応をとるべきか、法律上の正しい権限と限界を理解しておくことが大切です。
参考・参照文献
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第454条
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第488条
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第622条の2
・国土交通省『賃貸住宅標準管理受託契約書』別表第一(契約管理業務)の「未収金の督促」の項目、賃貸住宅標準管理委託契約書コメント(別表第一関係)
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問27)へ
令和7年度(2025年) 問題一覧
次の問題(問29)へ