賃貸不動産経営管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問27 (法令 問11)
問題文
ア 土地の所有者は、境界付近における建物の修繕のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。
イ 土地の所有者は、他の土地に設備を設置しなければガスの供給を受けることができないときは、ガスの供給を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置することができる。
ウ 隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、急迫の事情がある場合であっても、竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないときでなければ、土地所有者は、自ら越境した枝を切除することができない。
エ 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、竹木の所有者に根を切除するよう催告し、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないときでなければ、土地所有者は、自ら越境した根を切除することができない。
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問題
賃貸不動産経営管理士試験 令和7年度(2025年) 問27(法令 問11) (訂正依頼・報告はこちら)
ア 土地の所有者は、境界付近における建物の修繕のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。
イ 土地の所有者は、他の土地に設備を設置しなければガスの供給を受けることができないときは、ガスの供給を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置することができる。
ウ 隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、急迫の事情がある場合であっても、竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないときでなければ、土地所有者は、自ら越境した枝を切除することができない。
エ 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、竹木の所有者に根を切除するよう催告し、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないときでなければ、土地所有者は、自ら越境した根を切除することができない。
- ア、イ
- ア、エ
- イ、ウ
- ウ、エ
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この過去問の解説 (3件)
01
本問は、相隣関係に関する問題です。
土地所有者の所有物等が隣地へ越境した場合の事案を問うています。
ア
【正】
土地の所有者は、以下の目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができます。ただし、居住中の住居については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることはできないとされています。
1.境界又はその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去又は修繕
2.境界標の調査又は境界に関する測量
3.隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除を依頼
【民法209条1】
本問は1に該当します。したがって、アは正しいです。
イ
【正】
土地の所有者は、他人が所有する設備を使用しなければ、電気、ガス又は水道水の供給、その他、継続的給付を受けることができない場合、継続的給付を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用することができるとされています。【民法213条2】
したがって、イは正しいです。
ウ
【誤】
土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができますが、以下の事情があるときは枝を自ら切除できます。
1.竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき
2.竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき
3.急迫の事情があるとき
【民法233条3】
本問は1に該当するため枝を切除できます。したがって、ウは誤りです。
エ
【誤】
隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができます。
【民法233条4】
したがって、エは誤りです。
本問の正しい組み合わせはア、イです。
相隣関係は実務でも直面する機会があると思います。
隣地を使用することができるケース、枝または、根が越境するケース等は出題が多い問題ですので、ポイントを抑えておきましょう。
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02
本問は、 民法の「相隣関係」に関する問題です。相隣関係とは、隣接する土地利用の調整ルールのことで、隣地使用権、ライフライン設備の設置、越境した枝や根の処理などが重要論点となります。特に近年は、竹木の枝・根に関するルールが改正されているため、枝は原則どうするのか、根は誰が切れるのか、例外的に自ら切除できる場合を整理しておくことが重要です。
アの解説(正しい)
民法では、建物の修繕等のため必要がある場合には、必要な範囲で隣地を使用することが認められています。
イの解説(正しい)
民法では、電気・ガス・水道などのライフライン供給のため必要がある場合には、他人の土地に設備を設置することが認められています。
ウの解説(誤り)
竹木の枝は原則として所有者に切除を求めますが、急迫の事情がある場合、所有者が不明の場合、催告後も相当期間切除されない場合などには、自ら切除することができます。したがって、「急迫の事情がある場合でも切除できない」とする本肢は誤りです。
エの解説(誤り)
越境した「根」については、土地所有者は直ちに自ら切除することができます。枝のように催告は不要です。
本問は、相隣関係における「隣地使用」と「越境した竹木の処理方法」を整理できているかがポイントでした。建物修繕のための隣地使用や、ガス供給設備などライフライン設置のための土地利用は、必要な範囲で認められています。一方、竹木の枝と根では取扱いが異なる点が重要です。枝については原則として所有者に切除を求めますが、急迫の事情がある場合などには自ら切除することが可能です。これに対し、根については催告不要で直ちに切除することができます。
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03
本問は、民法における「相隣関係(そうりんかんけい)」に関する問題です。
隣り合う土地の所有者同士がお互いにどのような権利やルールを持っているのかを中心に整理していきましょう。
ア:正しい
この選択肢が言っていることは、
自分の土地の建物を修理する際、境界線の近くで作業をするためにどうしても必要な範囲であれば、お隣さんの土地を使わせてもらうことができると言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「建物の修繕のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる」としている部分です。
【解説】
民法では、境界の近くで建物の建築や修繕を行うような場合、必要な範囲内で隣地を使用することが認められています。ただし、お隣さんの住まい(住家)の中に立ち入るには本人の承諾が必要です。建物の修繕のために隣地を使用することは認められているため、この記述は正しいです。
【覚えておきたいポイント】
・境界付近の建物の修繕など必要な範囲で隣地を使用できる
・隣の人の住居に立ち入る場合は承諾が必要である
イ:正しい
この選択肢が言っていることは、
自分の土地にガスや電気などを引くために、どうしてもお隣さんの土地に配管などの設備を設置しなければならない場合は、必要な範囲でお隣さんの土地に設備を置くことができると言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「ガスの供給を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置することができる」としている部分です。
【解説】
民法では、電気、ガス、水道などの継続的な供給を受けるために他の土地に設備を設置しなければならない場合、必要な範囲内で他の土地に設備を設置することが認められています。ただし、他の土地にとって最も損害が少ない場所や方法を選ばなければなりません。必要な範囲で設備を設置することができるため、この記述は正しいです。
【覚えておきたいポイント】
・ライフラインを引くために必要な範囲で他人の土地に設備を設置できる
・設置する際は最も損害が少ない方法を選ぶ必要がある
ウ:誤り
この選択肢が言っていることは、
お隣さんの木から枝が自分の土地に伸びてきたとき、たとえ今すぐ切らないと危ないような緊急事態であっても、まずお隣さんに「切ってください」とお願いして、それでも切ってくれない場合でなければ、自分から勝手に切ることはできないと言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「急迫の事情がある場合であっても」「相当の期間内に切除しないときでなければ」「自ら越境した枝を切除することができない」としている部分です。
【解説】
隣の木の枝が越境してきた場合、原則として木の所有者に切ってもらう必要があります。しかし、例外として「切るようにお願いしても切ってくれないとき」や「所有者がわからないとき」、そして「急迫の事情があるとき(緊急時)」には、土地の所有者が自ら枝を切り取ることができます。急迫の事情がある場合でも自ら切除できないとしているため、この記述は誤りです。
【覚えておきたいポイント】
・越境した枝は原則として木の所有者に切らせる
・急迫の事情があるなど一定の場合は自ら切り取ることができる
エ:誤り
この選択肢が言っていることは、
お隣さんの木の根っこが境界を越えて自分の土地に伸びてきたとき、まずはお隣さんに「根っこを切ってください」とお願いして、それでも切ってくれない場合でなければ、自分から勝手に切ることはできないと言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「竹木の所有者に根を切除するよう催告し、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないときでなければ」「自ら越境した根を切除することができない」としている部分です。
【解説】
木の枝と木の根ではルールが異なります。隣の木の根が境界線を越えてきた場合は、木の所有者にお願い(催告)することなく、土地の所有者が自らその根を切り取ることができると民法で定められています。催告して切らないときでなければ自ら切除できないとしているため、この記述は誤りです。
【覚えておきたいポイント】
・越境してきた木の根は催告なしに自ら切り取ることができる
・木の「枝」と「根」でルールが違うことに注意する
本問では、民法の相隣関係における隣地使用と竹木のルールが重要なポイントです。
・必要な範囲で隣地の使用や設備の設置ができる
・越境した枝は原則として相手に切らせるが、例外的に自分で切れる場合がある
・越境した根は自分の判断で切り取ることができる
このように、お互いの生活を守るためにどのようなルールがあるのかを正しく理解しておくことが大切です。
参考・参照文献
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第209条
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第213条の2
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第233条
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