賃貸不動産経営管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問22 (法令 問6)
問題文
ア 社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮は、努力義務とされている。
イ 不動産管理業者が、歩行障害を有する者に個別訪問により重要事項説明等を行うことを求められた場合に、個別訪問を可能とする人的体制を有していないため対応が難しい等の理由を説明した上で、当該対応を断ることは、合理的配慮の提供義務違反に該当しないとされている。
ウ 不動産管理業者が、障害者に対して障害の状況を確認することは、障害者の社会的障壁を除去するために必要な範囲で、プライバシーに配慮して行えば、不当な差別的取扱いに該当しないとされている。
エ 電話利用が困難な障害者から各種手続においてメールによる対応を求められた場合であっても、自社マニュアル上、当該手続は利用者本人による電話のみで対応するものとされている場合には、それを理由として対応を断ることは、合理的配慮の提供義務に違反しないとされている。
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問題
賃貸不動産経営管理士試験 令和7年度(2025年) 問22(法令 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
ア 社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮は、努力義務とされている。
イ 不動産管理業者が、歩行障害を有する者に個別訪問により重要事項説明等を行うことを求められた場合に、個別訪問を可能とする人的体制を有していないため対応が難しい等の理由を説明した上で、当該対応を断ることは、合理的配慮の提供義務違反に該当しないとされている。
ウ 不動産管理業者が、障害者に対して障害の状況を確認することは、障害者の社会的障壁を除去するために必要な範囲で、プライバシーに配慮して行えば、不当な差別的取扱いに該当しないとされている。
エ 電話利用が困難な障害者から各種手続においてメールによる対応を求められた場合であっても、自社マニュアル上、当該手続は利用者本人による電話のみで対応するものとされている場合には、それを理由として対応を断ることは、合理的配慮の提供義務に違反しないとされている。
- ア、イ
- ア、エ
- イ、ウ
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この過去問の解説 (3件)
01
本問は、 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 と、国土交通省対応指針における「合理的配慮の提供義務」について問う問題です。重要なのは、合理的配慮は義務であることです。単に「断ったら違反」と覚えるのではなく、過重な負担に該当するかどうかの判断が重要になります。
アの解説(誤り)
改正法により、民間事業者による合理的配慮の提供は「義務」とされています。したがって、「努力義務」という記述は誤りです。
イの解説(正しい)
合理的配慮の提供義務があっても、事業者に「過重な負担」が生じる場合には、対応義務はありません。本肢では、個別訪問が可能な人的体制を有していないこと、その理由を説明していることから、対応困難な事情があるケースとして、義務違反には該当しない例とされています。
ウの解説(正しい)
合理的配慮を行うためには、必要な範囲で障害の状況を確認することが認められています。ただし、確認は必要最小限にとどめ、プライバシーへの配慮が必要です。
エの解説(誤り)
「社内マニュアルだから」という理由のみで、一律にメール対応を拒否することは適切ではありません。障害特性に応じた代替手段の検討が必要とされています。
合理的配慮の提供義務について、「どのような場合に対応義務が生じ、どのような場合に例外が認められるか」を整理できるかがポイントとなります。
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02
本問は、令和5年11月に施行された「国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」(障害者差別解消法)に関する問題です。
ア
【不適切】
社会的障壁の除去に実施について、必要かつ合理的な配慮を行うことを義務付けているとされています。努力義務ではありません。【国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針2(1) 】
イ
【適切】
本問の、歩行障害を有する者、その家族などに、個別訪問により重要事項説明等を行うことを求められた場合に、個別訪問を可能とする人的体制を有していないため対応が難しい等の理由を説明した上で、当該対応を断ることは義務違反ではありません。来店が難しい場合はwebで重要事項説明を行えるからです。【国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針3(2)③ 】
ウ
【適切】
不動産管理業者が、障害者に対して障害の状況を確認することは、把握することで、入居後の未然事故を予測し、事前に配慮する等、実務では重要な事案です。必要な範囲で、プライバシーに配慮して行えば、不当な差別的取扱いに該当しないとされています。【国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針2(1)②】
エ
【不適切】
電話利用が困難な障害者よりメールでの対応を求められた場合、自社マニュアル上対応できないと断ることは、合理的配慮の提供義務違反です。【国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針2(2)②】
したがって、適切な組み合わせは、イ・ウです。
実務をイメージすれば解ける問題もありますが、出題された過去問については抑えておきましょう。
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03
本問は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)および国土交通省の対応指針に関する問題です。
不動産管理業者が障害のある方に対してどのような対応(合理的配慮)を行うべきかを中心に整理していきましょう。
ア:不適切
この選択肢が言っていることは、
障害のある人から生活上のバリア(社会的障壁)を取り除いてほしいと求められたとき、事業者が対応すること(合理的配慮)は、法律上「できればやってください」という努力義務にとどまると言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「必要かつ合理的な配慮は、努力義務とされている」としている部分です。
【解説】
障害者差別解消法では、事業者による合理的配慮の提供は「しなければならない」という法的義務として定められています。 事業者は、その実施に伴う負担が過重でないときは、必要かつ合理的な配慮を提供する義務を負っています。 努力義務とされているわけではないため、この記述は不適切です。
【覚えておきたいポイント】
・事業者による合理的配慮の提供は努力義務ではなく法的義務である
・負担が過重でない範囲で対応することが求められる
イ:適切
この選択肢が言っていることは、
歩くのが難しい障害のある人から「自宅まで来て重要事項説明をしてほしい」と求められた場合、会社として訪問できるスタッフがおらず対応が難しいときに、その理由をきちんと説明して断ることは、ルール違反(合理的配慮の提供義務違反)にはならないという場面です。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「対応が難しい等の理由を説明した上で、当該対応を断ることは、合理的配慮の提供義務違反に該当しないとされている」としている部分です。
【解説】
合理的配慮の提供は事業者の義務ですが、負担が過重な場合にはそのままの希望に応えられないことがあります。 国土交通省の対応指針では、人員不足等で個別訪問が難しい理由を説明して断ることは、義務違反には該当しないとされています。ただしその場合でも、代わりにオンライン説明を提案するなど、建設的対話を行うことが求められます。 義務違反に該当しないとされているため、この記述は適切です。
【覚えておきたいポイント】
・過重な負担がある場合は理由を説明して断ることができる
・オンライン説明を提案するなど建設的対話を行うことが重要である
ウ:適切
この選択肢が言っていることは、
不動産管理業者が、障害のある人に対してサポートをするために、プライバシーに配慮しながら障害の状態について確認することは、不当な差別に当たらないと言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「プライバシーに配慮して行えば、不当な差別的取扱いに該当しないとされている」としている部分です。
【解説】
事業者が適切な配慮を提供するためには、その人がどのようなサポートを必要としているかを把握する必要があります。 国土交通省の対応指針では、配慮を提供するために必要な範囲内で、プライバシーに気を配りつつ障害の状況を確認することは、権利や利益の保護の観点から不当な差別的取扱いには当たらないとされています。 この取扱いで問題ないため、適切な記述です。
【覚えておきたいポイント】
・配慮を提供するために障害の状況を確認することは差別に該当しない
・確認する際は本人のプライバシーへの配慮が必要である
エ:不適切
この選択肢が言っていることは、
電話を使うのが難しい障害のある人から「メールで手続きさせてほしい」と頼まれた場合でも、「自社のマニュアルでは本人からの電話のみの受付になっています」という理由だけで対応を断ることは、ルール違反(合理的配慮の提供義務違反)にはならないと言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「マニュアル上、当該手続は利用者本人による電話のみで対応するものとされている場合には、それを理由として対応を断ることは、合理的配慮の提供義務に違反しないとされている」としている部分です。
【解説】
国土交通省の対応指針では、画一的なマニュアルを理由に具体的な対応方法を検討せずに拒否することは、合理的配慮の提供義務違反に該当すると考えられる事例として挙げられています。 電話が困難な人に対しては、メールなどの別のコミュニケーション手段で対応することが求められます。 マニュアルを理由に一律に断ることは義務違反に該当するため、違反しないとしているこの記述は不適切です。
【覚えておきたいポイント】
・マニュアルなどの画一的な理由で配慮を断ることは認められない
・電話が困難な場合はメール等の代替手段で対応する必要がある
本問では、障害者差別解消法に基づく事業者の対応ルールが重要なポイントです。
・合理的配慮の提供は事業者の法的義務である
・過重な負担がある場合は理由を説明して断ることができるが、代替案を話し合うことが重要である
・配慮を提供するための状況確認は差別に該当しない
・マニュアルを理由に一律に配慮を断ることは義務違反になる
このように、一人ひとりの障害の状態に応じた柔軟な対応が求められていることを正しく理解しておくことが大切です。
参考・参照文献
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律』第8条
・国土交通省『国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針』
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