賃貸不動産経営管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問11 (管理受託契約 問4)
問題文
ア 賃貸住宅管理業者が合併により消滅し、その存続会社が賃貸住宅管理業の登録を受けていない者である場合は、存続会社は合併前の賃貸住宅管理業者が締結した管理受託契約に基づく業務を結了する目的の範囲内においてその業務を実施できるが、賃貸住宅管理業法の定める規定に従う必要がある。
イ 賃貸住宅管理業者は、賃貸住宅管理業を行う営業所の新設、廃止、所在地の変更があったときは、その日から30日以内に登記事項証明書を添付し国土交通大臣に変更届を提出する必要があり、これに違反した場合には監督処分や罰則の対象となる。
ウ 賃貸住宅管理業者は、再委託先に対して指導監督の義務を負うことで管理受託契約の一部を再委託することができるが、再委託先が賃貸住宅管理業法の登録を受けた賃貸住宅管理業者であれば、受託した管理業務の全てについて他者に再委託することができる。
エ 賃貸住宅管理業者には、その業務に従事する従業者に従業者証明書を携帯させる義務が課されており、これに違反した場合には監督処分や罰則の対象となる。
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問題
賃貸不動産経営管理士試験 令和7年度(2025年) 問11(管理受託契約 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
ア 賃貸住宅管理業者が合併により消滅し、その存続会社が賃貸住宅管理業の登録を受けていない者である場合は、存続会社は合併前の賃貸住宅管理業者が締結した管理受託契約に基づく業務を結了する目的の範囲内においてその業務を実施できるが、賃貸住宅管理業法の定める規定に従う必要がある。
イ 賃貸住宅管理業者は、賃貸住宅管理業を行う営業所の新設、廃止、所在地の変更があったときは、その日から30日以内に登記事項証明書を添付し国土交通大臣に変更届を提出する必要があり、これに違反した場合には監督処分や罰則の対象となる。
ウ 賃貸住宅管理業者は、再委託先に対して指導監督の義務を負うことで管理受託契約の一部を再委託することができるが、再委託先が賃貸住宅管理業法の登録を受けた賃貸住宅管理業者であれば、受託した管理業務の全てについて他者に再委託することができる。
エ 賃貸住宅管理業者には、その業務に従事する従業者に従業者証明書を携帯させる義務が課されており、これに違反した場合には監督処分や罰則の対象となる。
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この過去問の解説 (3件)
01
本問は、賃貸住宅管理業者の「届出義務」「再委託」「従業者管理」など、実務で頻出の基本論点を問う問題です。特に、条文上の原則・例外や罰則の有無の区別が重要になります。
ア(正しい)
合併で消滅した業者の契約について、存続会社が未登録であっても、業務結了の範囲内での実施は可能です。その場合でも法の規制は適用されるため、正しい記述です。
イ(正しい)
営業所の新設・廃止・所在地変更については、30日以内の変更届出義務があります。また、この義務違反は監督処分だけでなく罰則の対象にもなり得るため、本肢は正しいです。
ウ(誤り)
再委託は可能ですが、管理業務の全部を再委託することは禁止されています。登録業者への再委託であっても丸投げは不可なので誤りです。
エ(正しい)
従業者証明書の携帯義務があり、違反すれば監督処分や罰則の対象となるため正しいです。
アは合併後も業務結了の範囲で実施可能であるため正しく、イおよびエも届出義務違反や従業者証明書の携帯義務違反が罰則の対象となるため正しいです。一方でウは、管理業務の全部再委託が禁止されているため誤りとなります。したがって、正しいものは3つです。
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02
本問は賃貸住宅管理業法の義務及び監督の問題です。
個数問題で難しく感じるかと思いますが、管理業法の基礎的な箇所を出題しています。
ア
【正】
A(登録を受けている賃貸住宅管理業者)がB(登録を受けていない不動産業者)と合併で消滅した場合、Aが消滅前に新規で管理委託契約を締結中であれば、合併したBは継続中の管理委託契約を結了まで実施できますが、免許を新規で登録するまでは前述以外の管理委託を新規で受託することはできないということです。
賃貸住宅管理業者であった者、または承継人は該当の賃貸管理業者が締結した管理受託契約に基づく業務を結了する目的の範囲内で賃貸不動産管理業者とみなされます。【賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 第27条】
イ
【正】
賃貸住宅管理業者の営業所の新設、廃止、所在地の変更があった場合は、その日から30日以内に登記事項証明書を添付し国土交通大臣に変更届を提出する必要があります。【賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方 第7条関係3(2)】これに違反した場合は監督処分や罰則の対象になります。【賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 第7条】
以下が変更があれば届け出が必要な事項です。
【賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 第4条第1項】
1 商号、名称又は氏名及び住所
2 法人である場合においては、その役員の氏名
3 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合にあっては、その商号又は名称及び住所並びにその役員の氏名)
4 営業所又は事務所の名称及び所在地
ウ
【誤】
賃貸住宅管理業者は、再委託先に対して指導監督の義務を負うことで管理受託契約の一部を再委託することができますが、再委託先が賃貸住宅管理業法の登録を受けた賃貸住宅管理業者であっても委託の全てを再委託することはできません。【賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 第15条】
エ
【正】
賃貸住宅管理業者は、国土交通省令で定めるところにより、業務に従事する使用人、従業者に従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならないとあります。
また、業務を行うに際し、委託者その他の関係者から請求があったときは、証明書を提示しなければなりません。【賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 第17条第1、2項】
イの30日以内に登記事項証明書を添付し~の問題は変更の手続きで必要な書類になります。一歩踏み込んだ問題ですが、こちらでおさえておきましょう。
変更の届け出が必要な項目や従業員証明書の携帯義務のポイントを暗記し確実に正・誤を理解できるようにしましょう。
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03
本問は、賃貸住宅管理業者の義務と監督処分に関する問題です。
変更の届出や証明書の携帯義務を中心に、合併時の扱いや再委託のルールもあわせて整理していきましょう。
ア:正しい
この選択肢が言っていることは、
管理業者が別の会社と合併してなくなってしまった場合、残った会社が管理業の登録をしていなくても、もともと引き受けていた管理の仕事を最後までやり遂げるためであれば、引き続き賃貸住宅管理業者として法律のルールを守りながら業務を行えるという場面です。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「業務を結了する目的の範囲内においてその業務を実施できる」「賃貸住宅管理業法の定める規定に従う必要がある」としている部分です。
【解説】
管理業者が合併して消滅した場合、その登録は効力を失います。しかし、それまで引き受けていた管理業務を突然投げ出すと、貸主や入居者が困ってしまいます。 そのため、残った会社(一般承継人)は、すでに結んでいる契約の業務を最後までやり遂げる目的の範囲内であれば、そのまま「賃貸住宅管理業者とみなす」というルールがあります。 管理業者とみなされる以上、賃貸住宅管理業法のさまざまなルールに従う必要があるため、この記述は正しいです。
【覚えておきたいポイント】
・登録がなくなっても、残務処理が終わるまでは管理業者とみなされる
・みなし業者にも法律のルール(義務や規制)が適用される
イ:正しい
この選択肢が言っていることは、
管理業の営業所を新しく作ったり、なくしたり、場所を変えたりしたときは、30日以内に会社の登記簿(登記事項証明書)などをつけて国に変更の届出をしなければならず、もしルールを破るとペナルティを受けると言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「30日以内に登記事項証明書を添付し」「変更届を提出する必要があり」「監督処分や罰則の対象となる」としている部分です。
【解説】
営業所の名称や所在地などは、管理業の登録において重要な事項(登録事項)です。 これらの登録事項に変更があった場合、管理業者はその日から30日以内に、登記事項証明書などの必要書類を添付して、国土交通大臣に変更の届出をしなければなりません。 この届出を怠ったり、嘘の届出をしたりすると、業務改善命令などの監督処分を受けたり、30万円以下の罰金といった罰則の対象になります。 この取扱いで問題ないため、正しい記述です。
【覚えておきたいポイント】
・登録事項に変更があったら30日以内に届出が必要である
・届出を怠ると監督処分や罰金などのペナルティがある
ウ:誤り
この選択肢が言っていることは、
引き受けた管理業務をほかの業者に丸投げ(一括して再委託)する場合、丸投げ先がきちんと登録を受けた管理業者であれば、全ての業務を任せてしまってもよいと言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「再委託先が賃貸住宅管理業法の登録を受けた賃貸住宅管理業者であれば」「受託した管理業務の全てについて他者に再委託することができる」としている部分です。
【解説】
貸主は、その管理業者を信頼して管理業務を任せています。 そのため、引き受けた管理業務の「全部」を他の業者に丸投げする(一括再委託する)ことは、法律で固く禁止されています。 これは、再委託先が登録を受けた賃貸住宅管理業者であっても同じです。一部の業務を再委託することはできますが、全ての業務を再委託することはできないため、この記述は誤りです。
【覚えておきたいポイント】
・引き受けた管理業務の全部を他の業者に再委託(丸投げ)することは禁止されている
・相手が登録業者であっても全業務の再委託はできない
エ:正しい
この選択肢が言っていることは、
管理業者のスタッフは、仕事をする際に自分がその会社のスタッフであることを証明するカード(従業者証明書)を持っていなければならず、もし持たせずに仕事をさせるとペナルティを受けると言っています。
【ここがポイント】
見るべきポイントは、「従業者証明書を携帯させる義務が課されており」「違反した場合には監督処分や罰則の対象となる」としている部分です。
【解説】
賃貸住宅管理業者は、その業務に従事するスタッフに対し、自分が従業者であることを証明する「従業者証明書」を携帯させなければ、仕事をさせてはいけないという義務があります。 この義務に違反して証明書を持たせずに業務をさせた場合、業務改善命令などの監督処分を受けたり、30万円以下の罰金といった罰則の対象になります。 この内容で正しいため、この記述は正しいです。
【覚えておきたいポイント】
・業務を行うスタッフには従業者証明書の携帯が義務付けられている
・証明書を持たせないと監督処分や罰金の対象になる
本問では、賃貸住宅管理業者の様々な義務やルールが重要なポイントです。
・登録がなくなっても残務処理中は法律のルールが適用される
・変更があったら30日以内に届出が必要であり、違反にはペナルティがある
・管理業務の全部を丸投げすることは相手が誰であっても禁止されている
・スタッフへの従業者証明書の携帯義務があり、違反にはペナルティがある
このように、管理業者としての義務や禁止事項を正しく理解しておくことが大切です。 正しい記述は「ア」「イ」「エ」の3つとなります。
参考・参照文献
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律』第7条
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律』第15条
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律』第17条
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律』第27条
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律』第44条
・国土交通省『賃貸住宅管理業法 制度概要ハンドブック』
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