賃貸不動産経営管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問3 (賃貸借 問3)
問題文
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問題
賃貸不動産経営管理士試験 令和7年度(2025年) 問3(賃貸借 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
- 賃貸借契約において、賃貸人の修繕義務を免除し賃借人に修繕義務を課す特約も有効である。
- 賃借人の子である幼稚園児が賃貸物件の排水管を詰まらせた場合、責任能力のない者の行為であるため賃借人が責任を負うことはなく、賃貸人に修繕義務が課される。
- 賃貸人が修繕を怠ったことにより賃貸物件を全く使用収益することができなかった場合、賃借人はその期間の賃料支払義務を免れる。
- 賃貸人の修繕義務違反により賃借人に損害が発生した場合でも、賃借人が損害を回避又は減少させる措置をとることができたと解される時期以降の損害については、全ての賠償を請求できるとは限らない。
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この過去問の解説 (3件)
01
本問は賃貸物件の修繕義務についての問題です。
実務をイメージして考えると解けることが多いと思いますが、再度内容を理解し問題に挑みましょう。
賃貸借契約において、賃貸人は賃貸物の使用および収益に必要な修繕義務を負います(民法第606条)が、修繕義務を免除し賃借人に修繕義務を課す特約も有効です。
実務では、電球の交換、その他費用が軽微な修繕は賃借人負担とし、契約書面の条項や特約に記載することが多いです。
家族で賃貸アパートに居住し、夫が賃貸借契約の契約者(賃借人)となり、妻と子が同居する場合、民法上妻と子は履行補助者となります。
本問のケースでは、配水管の詰まりの原因は賃借人の子であり、責任能力がなくとも賃借人の履行補助者であるので、過失は賃借人にあり修繕義務が課せられます。
賃貸人は、賃貸物件の使用及び収益に必要な修繕義務を負います。(民法第606条)
修繕を怠った場合、賃貸人は債務不履行責任へ発展します。
賃料は対価としての性質を持つため、賃借人は全く使用ができない期間の賃料支払義務を免れます。
賃貸人の修繕義務違反により賃借人に損害が生じた場合、賃借人は賃貸人に対し損害賠償を請求することができます。(民法415条、416条1項)
しかし、賃借人が損害を回避また減少させる措置(住めなくなった期間のホテルの提供など)をとることができたと解される時期以降の請求は、賃貸人が措置を講じているので、全ての損害賠償請求が認められるとは限りません。
賃貸人は賃貸物件の使用および収益に必要な修繕義務を負いますが、例外もあります。
賃貸人が修繕義務を負わないケースもしっかり覚えましょう。
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02
本問は、賃貸物件の修繕に関する問題です。
賃貸人の修繕義務の原則と例外を中心に、賃料の支払いや損害賠償のルールもあわせて整理していきましょう。
正しい
この選択肢が言っていることは、
賃貸借契約を結ぶときに、貸主の修繕義務をなくして、代わりに借主が修繕の責任を負うという特別な約束(特約)をしても、その約束は有効だ。という場面です。
ここがポイント
見るべきポイントは、「賃貸人の修繕義務を免除し賃借人に修繕義務を課す特約も有効である」としている部分です。
解説
法律上、貸主には物件を使用させるための修繕義務が定められていますが、これは当事者間の合意で変更できるルール(任意規定)です。 そのため、当事者間で「借主が修繕費用を負担する」といった特約を結んだ場合、その約束は原則として有効となります。 貸主の修繕義務を免除する特約も有効であるため、この記述は正しいです。
覚えておきたいポイント
・貸主の修繕義務は当事者の合意で変更できる
・借主に修繕義務を負わせる特約も原則として有効である
誤り
この選択肢が言っていることは、
借主の小さな子ども(幼稚園児)が誤って排水管を詰まらせた場合、子どもには責任能力がないので借主も責任を負わず、貸主に修繕する義務が発生すると言っています。
ここがポイント
見るべきポイントは、「責任能力のない者の行為であるため」「賃貸人に修繕義務が課される」としている部分です。
解説
貸主は原則として物件の修繕義務を負いますが、借主の責任(故意や過失)で修繕が必要になった場合は、貸主に修繕義務はありません。 同居している家族や子どもが起こしたトラブルは、借主本人の責任として扱われます。 小さな子どもに責任能力がなくても、借主の責任によるものとして貸主の修繕義務は免除されるため、賃貸人に修繕義務が課されるとするこの記述は誤りです。
覚えておきたいポイント
・借主の過失による破損は貸主の修繕義務の対象外である
・同居する家族の過失は借主の過失として扱われる
正しい
この選択肢が言っていることは、
貸主が修繕を怠ったせいで、借主が部屋を全く使えなくなってしまった場合、借主はその部屋を使えなかった期間の家賃を支払わなくてもよいと言っています。
ここがポイント
見るべきポイントは、「全く使用収益することができなかった場合」「賃料支払義務を免れる」としている部分です。
解説
借主の責任ではない理由で物件が使えなくなった場合、使えなくなった割合に応じて当然に家賃が減額されるルールがあります。 もし貸主が修繕を怠り、部屋全体が全く使えなくなってしまったのであれば、家賃は100%減額されることになります。 使用できない期間の賃料を支払う必要はなくなるため、この記述は正しいです。
覚えておきたいポイント
・物件が使えなくなった割合に応じて家賃は当然に減額される
・全く使えない場合は家賃全額の支払いを免れる
正しい
この選択肢が言っていることは、
貸主が修繕してくれないせいで借主に損害が出た場合でも、借主が自分で被害を抑えるための対策をとれた時期があったなら、それ以降の損害については全額の賠償を請求できないことがあると言っています。
ここがポイント
見るべきポイントは、「損害を回避又は減少させる措置をとることができたと解される時期以降の損害については」「全ての賠償を請求できるとは限らない」としている部分です。
解説
損害賠償を請求する場合、被害を受けた側にも損害を拡大させた落ち度(過失)があるときは、賠償額が減らされること(過失相殺)があります。 借主が損害の拡大を防ぐための適切な措置をとらなかった場合、借主にも落ち度があるとみなされます。 その結果として全額の賠償が認められないことがあるため、この記述は正しいです。
覚えておきたいポイント
・被害を受けた側にも落ち度があれば賠償額が減額されることがある
・損害の拡大を防ぐ措置を怠ると全額請求できない可能性がある
本問では、賃貸人の修繕義務の範囲が重要なポイントです。
・修繕義務の負担は特約で変更できる
・借主やその家族の過失による破損は貸主の修繕義務から外れる
・使えなくなった割合に応じて家賃は減額される
・被害の拡大を防ぐ措置を怠ると損害賠償額が減らされることがある
このように、どのような場合に修繕義務や賃料減額、損害賠償が認められるのかを正しく理解しておくことが大切です。
参考・参照文献
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第418条
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第606条
・e-Gov法令検索(デジタル庁)『民法』第611条
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03
賃貸借における修繕は、原則として賃貸人が目的物を使用収益できる状態に維持する義務(修繕義務)を負います。ただし、契約による修正も可能であり、また損害や賃料との関係では「過失」「使用不能の程度」「損害拡大防止義務」などが重要な判断要素になります。
民法上、賃貸人は目的物を使用収益できる状態に維持する義務(修繕義務)を負います。ただしこれは任意規定で、当事者の合意で「軽微な修繕は賃借人負担」「すべて賃借人負担」とすることも可能です。
誤り:確かに幼児は責任能力はありません。しかし本問は不法行為ではなく賃貸借契約上の責任の話となります。
賃借人は物件を適切に使用する義務、原状回復義務を負っており、同居人(家族・子ども)の行為も含めて自己の使用として評価されます。したがって子どもが原因でも賃借人が責任を負います。
賃貸借は 「使わせる代わりに賃料を払う契約」となります。修繕義務違反などで全く使用できない状態なら 賃料支払義務はゼロになります。
賃借人は被害者でも何もせず損害を放置することはNGとなります。例えば、水漏れを放置、応急処置しないなどの場合、防げた損害は請求できません。
修繕義務は原則として賃貸人が負いますが、特約により賃借人に負わせることも可能です。また、賃借人の同居人による行為については、責任能力の有無にかかわらず賃借人が契約上の責任を負います。さらに、物件が全く使用できない場合には賃料支払義務は免除され、損害賠償においても損害拡大防止義務が考慮されます。したがって誤っているのは「賃借人が責任を負わない」とする記述となります。
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